ウズベキスタン基本情報

行政区分から「スタンとは?」まで

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「ウズベキスタン」と聞いても、なかなかピンと来ないと思います。
本項ではウズベキスタンの基本的な情報を集めました。
本ページをお読みいただき、よりウズベキスタンを身近に感じていただければと思います。
 

概要

国名:ウズベキスタン共和国 O’zbekiston Respublikasi

国名:ウズベキスタン共和国(O’zbekiston Respublikasi)

 

国旗 1991年制定。青は人生の源である水と空、白は平和と美しい国土、緑は自然と実り豊かな農業を表し、赤い線は独立と主権を守る決意を象徴する。三日月はイスラーム教を、12個の星は神聖と伝統、12の州を意味する。
国章 1992年制定。山と川、花咲く谷間を照らす朝日を小麦の穂と綿の枝が取り囲む。上部に共和国の確立を象徴する八角形とイスラームを象徴する三日月と星。中央には幸福と自由と愛の象徴である伝説の鳥「フマ」が翼を広げている。
面積 44万7400km2 日本の約1.2倍
人口 約3,239万人(2017年現在)
首都 タシケント (Toshkent) 270万人
民族 ウズベク人(80%)、ロシア人(5.5%)、タジク人(5.0%)、カザフ人(3.0%)
他にタタール人、カラカルパク人、ウクライナ人など
言語 公用語はウズベク語、ロシア語は民族交流語の位置付け
(2005年までにキリル文字からラテン文字に移行したが未だ混在する)
宗教 イスラーム教スンニ派(ウズベク人、タジク人など)が85%以上東方正教会(ロシア人、ウクライナ人など)が9%
時差 日本との時差は-4時間 (日本が昼12時ならUZは朝の8時)
気候 典型的な大陸性気候 (夏は暑く冬は寒い、昼夜の温度差も大)
通貨 Сум スム (2019年9月現在 US$1≒9,350スム)
電圧 220ボルト50Hz (プラグはヨーロッパ Cタイプ)
祝祭日 1月1日 新年3月8日 女性の日3月21日 ナウルーズ
5月9日 戦勝記念日
9月1日 独立記念日
12月8日 憲法記念日
移動祝祭日 (ラマダンハイート、クルバンハイート)
※移動祝祭日は太陰暦による
政体 共和制
元首 シャフカット ミルジョエフ大統領
議会 二院制(上院「セナート」定数100名、下院「オリマジリス」定員150名)
内政 1991年9月ソ連の解体と共に独立。
1991年12月、初代大統領に選出されたカリモフ大統領の任期が25年継続したが、2016年12月、ミルジョエフ大統領誕生。
イスラーム急進派の活動は禁止されており、キルギス、タジキスタンとの国境付近におけるイスラーム武装勢力の動きを警戒している。

行政区分

ウズベキスタン共和国は、12の州と1つの自治共和国、1つの市に分かれています。
ウズベキスタン共和国は、12の州と1つの自治共和国、1つの市に分かれています。

1.タシケント市(Toshkent)
ウズベキスタンの首都。中央アジア最大の都市。ティルク語で「石の町」を意味する。2010年、建都2200周年を迎えた。

2.アンディジャン州(Andijon)
[人口225万人]東部のフェルガナ盆地東部に位置し、ウズベキスタンで最も人口過密な州である。州都アンディジャン(人口35万人)。中央アジアの最初の自動車組立工場は、ウズベキスタンと韓国の大宇自動車の合弁企業によりアサカに設立され、ネクシア(Nexia)、ティコ(Tico)、ダマス(Damas)といった車種を生産した。

3.ブハラ州(Buxoro)
[人口150万人]南西部に位置し、面積の大半は、キジルクム砂漠が占める。州都ブハラ(人口26.3万人)。ブハラの旧市街は、ユネスコの世界遺産に登録され、国際的な景勝地として重要な観光資源となっている。金刺繍、陶芸、彫刻などの伝統的なウズベク工芸品の生産も盛んである。

4.フェルガナ州(Farg’ona)
[人口280万人]東部のフェルガナ盆地南部に位置する。州都フェルガナ(人口21.4万人)。フェルガナは、緑の町とも呼ばれ運河の水路が走り、豊かな緑を育んでいる。シルクの産地マルギラン、陶器の町リシタンも有名。中央アジアではブハラに次ぐイスラームの中心地だったコーカンドもある。

5.ジザク州(Jizzax)
[人口105万人]ウズベキスタンの中央に位置している。州都ジザク(人口12.8万)。1973年まではシルダリヤ州の一部とされてきた。ザーミン国立公園では、独特な動植物層を観察することができる。

6.ナマンガン州(Namangan)
[人口200万人]東部のフェルガナ盆地南部に位置する。州都ナマンガン(人口41万人)。伝統的な手工業製品としての装飾ナイフの製作では、チュスト地区が有名である。

7.ナボイ州(Navoiy)
[人口80万人]北西部に位置し、面積の大半はキジルクム砂漠である。州都ナボイ(人口12.8万人)。ナボイ鉱山、ザラフシャン鉱山では世界で最も純度の高い金を産出している。

8.カシカダリヤ州(Qashqadaryo)
[人口230万人]南部のカシカダリヤ川沿岸、パミール山脈山麓部に位置する。州都カルシ(人口17.7万人)。シャフリサーブスは、アミール・ティムールの出生地でもあり、ユネスコの世界遺産。重要な観光資源となっている。

9.サマルカンド州(Samarqand)
[人口280万人]中央部のザラフシャン川流域に位置。州都サマルカンド(人口36.8万人)。サマルカンドは、首都タシケントに次いで、国内2番目の経済的、文化的中心都市であり、ウズベキスタン共和国科学アカデミーの考古学研究所も置かれている。ユネスコの世界遺産にも登録され、重要な観光資源となっている。

10.シルダリヤ州(Sirdaryo)
[人口70万人]中央部のシルダリヤ川左岸に位置。州都グリスタン(人口5.4万人)。シルダリヤ川にある水力発電所では、ウズベキスタンの消費電力の3分の1を生産している。

11.スルハンダリヤ州(Surxondaryo)
[人口185万人]最南部に位置し、州都テルメズ(人口9.5万人)。この地方は仏教伝播の道筋であったため、テルメズ旧市街周辺には仏教遺跡が集中している。テルメズ近郊のアムダリヤ川沿岸には、中央アジア唯一の河川港もある。ボイスン地区の文化的空間はユネスコの無形遺産に宣言されている。

12.タシケント州(Toshkent)
[人口240万人]北東部に位置し、州都はタシケントであるが、首都でもある同市の行政は別に行われている。全国で最も工業化が進んだ州で、エネルギー生産、鉱業、冶金業、肥料、化学製品、電子機器、織物、綿の洗浄、食品、履物の生産が行われている。

13.ホラズム州(Xorazm)
[人口140万人]北西部のアムダリヤ川下流域に位置する。州都ウルゲンチ(人口13.5万人)。ヒヴァは、旧市街はユネスコの世界遺産に登録され、重要な観光資源となっている。観光客にとって、ヒヴァはこの旧市街「イチャン・カラ」を指している。

14.カラカルパクスタン共和国(Qoraqalpog’istoni)
[人口155万人]最西部に位置しウズベキスタン国土の37%を占める。共和国北部は「縮小する湖」と呼ばれるアラル海に面している。共和国の面積は約16.5万km²。首都はヌクス(人口15万人)。かつて盛んだったアラル海での漁業は、アラル海の縮小に伴う環境悪化のため、現在は行われていない。

シルクロード

シルクロード
ウズベキスタンの最大の魅力は、何と言っても壮大なイスラーム建築群だろう。空に高くそびえるミナレット、美しい装飾タイルで飾られた壁や印象的な青いドーム。そして砂色した町並み。シルクロードに最も近いイメージの国ではないだろうか。砂漠のオアシスのほとり、月あかりの下でラクダと商隊がまどろんでいる…そんなイメージの国だ。

シルクロードとは、中央アジアを横断する古代の東西交易路。中国を起点として、中央アジアのオアシス都市国家群を通り、パミール高原を経て西アジアから地中海に至る。

絹は古代地中海では産出されず、中国特産の絹がこのルートによって運ばれたことから“絹の道(Silk Road)”と、19世紀末、ドイツの地理学者リヒトフォーフェンによって命名された。

ウズベキタンの人々は、敬意を表し「The Great Silk Road」と呼んでいる。

中央アジアについて

日本では中央アジアといっても、また馴染の少ない国々で国名もあまり知られていないのが現状かもしれない。最近では、ユーラシア大陸の中央部にある内陸地域、乾燥地帯で、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トゥルクメニスタンの5ヶ国をさすのが一般的である。

古来、遊牧、オアシス農業、中継貿易が行われ、多くの国が興亡した。中世は、東西貿易の中継地として栄えた場所である。

ウズベキスタンの国名を知らなくても、シルクロードの国と言えばイメージできるのではないだろうか。シルクロードに位置した町々は、かつて東西貿易の中心であり、様々な民族が集まり、それぞれの言葉や知識、文化が飛び交っていた。ウズベキスタンは、今も多種多様な人々が集まる国。1991年9月に旧ソ連から独立し、未だ遺制は残るが、自分達の文化を守りつつ独自の歴史を築こうと前進している。

ウズベキスタンの位置は、中央アジアの中央。中央アジア5ヶ国の他の4ヶ国と国境を接する唯一の国である。南側はアフガニスタンとも国境を接している。最近、環境問題で話題のアラル海が位置する国と言っても分かりやすいかもしれない。

中央アジアについて①

中央アジアについて②

スタンとは

STAN(スタン)とは
STAN(スタン)は、ペルシャ語で国や地域を意味する。

このスタンが付く国は中央アジアに位置していて、古代ペルシャ帝国の影響を受けた名残りとされている。この辺りの地域は、古くギリシャのアレキサンダー大王が侵略する前からの先住民族にトルコ帝国、ペルシャ帝国時代の民族移動などが加わり複雑な民族構成になっている。ウズベキスタンもそのひとつ。

この語尾を持つ国は異質で危ないと思っている人も少なくないが、そこに住む人々は気の良い普通の人達である。イスラーム過激派は、中央アジアに居場所を持っていない。イスラーム教を信じるウズベクの人々は心優しく、とてもお客様好き。陽気なウズベクの人達とのふれあいも旅の楽しみといえる。